自己破産と個人再生
債務整理を考えているが、どの手続きを利用するか迷っているというご相談をいただきます。
本記事では、自己破産と個人再生の違いについてそれぞれ解説をしていきます。
◆自己破産、個人再生とは
●自己破産
自己破産手続きとは、債権者と交渉を行った上で債務を全て免責する手続きとなっています。
債務を全て免責することができるため、今後の返済義務がないという点が大きな特徴となっています。
●個人再生
個人再生とは、債権者と交渉を行った上で債務を減額し、今後も計画的に返済を行なっていく手続きとなっています。
個人再生には、最低弁済額と呼ばれるものが存在し、借金の総額に応じて最低弁済額が変わってきます。
100万円未満→全額
100万円以上500万円未満→100万円
500万円以上1500万円未満→借金総額の5分の1
1500万円以上3000万円未満→300万円
3000万円以上5000万円未満→借金総額の10分の1
となっており、借金総額が大きいほど減額できる額も大きくなっています。また任意整理とは違い、元本の減額もできる点が特徴となっています。
◆自己破産と個人再生に共通する点
どちらの手続きを利用しても、ブラックリストへの掲載や、クレジットカードの利用停止、ローンや分割払いが利用できなくなるという点は共通しています。
また任意整理の場合には、裁判所を介する必要はありませんが、自己破産と個人再生は裁判所を利用することで行う手続きであり、官報にいずれかの手続きを利用した旨が記載されてしまいます。
官報とは国の機関紙となっており、一般の方が手にとって読む可能性は非常に低いため、官報を通じて周りの人たちにバレてしまうという可能性はないと考えて良いでしょう。
◆それぞれのメリット・デメリット
●メリット
・個人再生
個人再生のメリットは何と言っても借金を大幅に減額することができるという点が挙げられます。
また持ち家や土地などの財産を残したまま手続きを利用することができるため、今後の生活で困ってしまうという可能性はあまりありません。
また、個人再生を利用したことにより就けなくなる職業の制限もありません。
・自己破産
自己破産のメリットはやはり何と言っても全ての債務の支払い義務を免除できるという点が挙げられます。
●デメリット
・個人再生
個人再生のデメリットは、債務が免責されるわけではないため、今後も支払い義務が残り続けるという点にあります。
・自己破産
自己破産は債務が免責されるという大きなメリットの反面、デメリットが大きなものとなっています。
例えば自由財産に該当するものを除いて、財産が処分されてしまいます。
家電や家具などの日常に必要なものに関しては、1点ずつ残すことができますが、土地や株、持ち家などに関しては差し押さえを受けてしまいます。
また、職業制限があるため、自己破産を利用すると一定の職業に就くことができなくなります。
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土方 裕介Hijikata Yusuke / 第二東京弁護士会所属
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- 所属
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第二東京弁護士会 常議員(平成30年度)
第二東京弁護士会 消費者問題対策委員会委員(平成25年~現在)
上智大学法学部同窓会役員(平成30年~現在)
- 著書
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『借地借家の正当事由・立退料』(新日本法規出版)
『隣地・隣家紛争 権利主張と対応のポイント』(新日本法規出版)
(いずれも共著)
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